『VOX ToneLab ST』レビュー

リアルチューブサウンド

先日手に入れたテレキャスターをいたく気に入ったので、時間帯を気にせず、ヘッドホンで気持ちよく演奏できるアンプシミュレーター付きマルチエフェクターも購入することに。

テレキャスター購入でもお世話になった、サウンドハウスさんのサイトで比較検討してVOX ToneLab STに決めました。

全体像

VOX ToneLab STを選んだ決め手は、ズバリそのルックス。「見た目でその気にさせてくれる」のは、ギタリストにとって結構大事です。これ見よがしに光る真空管が、気分を盛り上げてくれます。

では、VOX ToneLab STを構成する、下記4つのセクションごとにレビューします。

アンプシミュレーター

アンプセクション

プリセットを一通り試し弾きしたところ、クリーンからクランチまで、なかなか使える音がそろっていました。

事前に調べた評判では、歪みが弱いと言われていたのに、かなり歪むので驚きました。どうやらそれらの感想は、ハイファイかつ超ハイゲインなメタル的ディストーションサウンドを指しているようですね。確かにメタラーが好む音は作りにくいかもしれません。

私はUKロックが好きなので問題なし。それどころか、かなり気に入るサウンドでした。

アンプモデルは、11種類3タイプの計33台です。キャビネットモデルも別途11種類あるので、かなりの選択肢があります。

VOXのアンプで使われている物と同じデザインのつまみがズラリと並んでいて、実際のアンプのように音作りできるのが楽しい。

真空管は、このセクションのパワーアンプ回路に使われているそうで、VOXは“Valvetronixテクノロジー”と銘打っています。マニュアルによると、搭載されている真空管は12AX7/ECC83です。

ペダルエフェクト

ペダルセクション

ペダルエフェクトセクションには、一般的にアンプの前につながれるエフェクターが下記の11種類用意されています。VOX ToneLab STでも、アンプセクションの前に信号処理されます。

同時に使えるのは1つまで。調整できるパラメーターも1つだけという、とてもシンプルなセクションです。

これで足りるかどうかは、弾きたい音楽のジャンルによるでしょう。サウンド自体はツボを押さえたものなので、私は満足できました。

ちなみに、いくつかのエフェクターは、定番ペダルをモデリングしたものになっています。

モジュレーション/ディレイ

モジュレーションセクション

このセクションには、一般的にアンプのセンド/リターンにつなげるエフェクターが下記の11種類用意されています。これらは、アンプセクションの後に信号処理されます。

このセクションも同時に使えるエフェクターは1つまでですが、パラメーターは2~3つ用意されています。

アナログのものをモデリングしているからか、全体的に温かみがあるサウンドですね。

特にフランジャーのフィーリングが気に入って、1時間ばかしひたすら弾いてしまいました。

リバーブ

リバーブセクション

リバーブは、SPRING、ROOM、HALLの3種類。

1つのつまみで、ミックス量とタイプを切り替えます。この操作方法は簡単で使いやすい。ババッと音を決められます。

その他

AUXインプット

個人的にどうしても外せない機能がAUXインプットです。VOX ToneLab STは、ステレオミニ端子にオーディオ機器をつないで、ギターの音とミックスしてモニターできます。

テレビのヘッドホン端子とつないで、音楽番組を見ながらギターを弾くなんて使い方も。

エクスプレッション・ペダル

ワウだけではなく、パラメーターをアサインして足元でコントロールできます。

チューナー

オート・クロマチック・チューナーが搭載されているから、つなぎ直すことなく即チューニングできます。

PCとの連携

USBでPCとつなげることで、プログラムの管理がPC上で行えます。ただしパラメーターの変更はできないので、バックアップや並べ替えなどの処理のみになります。

ASIOドライバーを用いてオーディオインターフェースとしても使用できます。これは未確認なので、サウンドクオリティは分かりません。

総評

デザインには、設計思想が現れるものです。クラシックなギターアンプを彷彿させるつまみ、誇らしげに光る真空管。VOX ToneLab STは、理論ではなく、ノリでエディットするのが合う機材です。

PCのディスプレイで数十ものパラメーターを1メモリずつ正確にエディットしたいタイプのギタリストには合わないかもしれません

ネット通販での実売価格は1万円前後。BOSSのエフェクターペダル1個と変わらない価格でこれだけの音が出せるのだから、満足という他ないです。

質実剛健なサウンドをガツンと鳴らせるVOX ToneLab STは、ロックギタリストにおすすめな機材でした。

追記

ToneLab STの上位機種にあたるToneLab EXが発売されました。

STは、アンプシミュレーターがメインで、付加価値としてエフェクターが付いている機材です。しかしEXは、エフェクターセクションが強化され、マルチエフェクターと呼べる構成になっています。

ディレイとコンプレッサーが独立して使えるようになったので、音作りがより自由に出来るでしょう。

ただし、希望小売価格は1万円以上高くなりました。店頭販売価格においては、EXはSTの倍近くになります。

STかEXか。価格ほどの性能差がないので、これから購入する人には悩ましい選択です。

「自宅で練習に使うだけならST。ライブでも使うならEX」が、STユーザーである私のおすすめです。

更に追記

EXの発売から時間が経ち、市場価格が大分こなれました。上記リンク先からも分かるとおり、差額は6,000円程度まで縮まっています。

こうなると、今後はサイズが選ぶ決め手になりそうです。

ST
270mm
奥行 180mm
高さ 70mm
重量 1.6kg
EX
394mm
奥行 238mm
高さ 72mm
重量 3.0kg

練習スタジオなどに持ち出す機会が多いなら、小さくて軽いSTも捨てがたい。というわけで、「コンパクトなサイズが要望ならST。そうでなければEX」ですね。

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