『unknown/アンノウン』レビュー

誰が、誰だ

(注) 本稿は、2006年に公開されたジム・カヴィーゼル主演の映画『unknown/アンノウン』のレビューです。リーアム・ニーソンが主演した『アンノウン』とは別の作品です。

『SAW/ソウ』や『CUBE/キューブ』などの「目覚めたら○○」系シチュエーション・スリラーは、主人公たちが置かれた状況が、いかに様々な想像を観客に喚起させるかが面白さを決めるポイントになる。『unknown/アンノウン』は、その点ぬかりはない。本作が提示するシチュエーションは、いかにも興味をそそるスリリングなものだ。

───目覚めたら出口を閉ざされた廃棄工場。記憶がなく、過去を思い出せない。周りには意識と記憶を失っている4人の男。工場に残された情報から分かったことは一つ。この5人の内2人は人質、3人が誘拐犯。いったい自分はどちらなのか───

昨今のシチュエーション・スリラーは、斬新で挑戦的な作品が多かったが、『unknown/アンノウン』は、じっくりと見せるオーソドックスなミステリーだ。善と悪の境界線に立ち、記憶が戻るにつれ移ろう人間性。揺れ動く感情を軸に描き、ドラマ性に重きを置いている。意欲的な作品を欲している映画ファンよりも、ミステリーファンに受ける映画だろう。

まるで自分も工場に一緒に閉じ込められたような錯覚を味わいながら、誰が誰なのかを推理して、自分が生き残るすべを模索する楽しさがある。これを読んでいるあなただって、あなたが思っている自分ではないかもしれないのだ。

評点(10点満点)

【6.5点】『SAW/ソウ』や『CUBE/キューブ』に比べると、緊張感やサプライズに欠ける。

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