『SUPER 8/スーパーエイト』レビュー

既知との遭遇

J・J・エイブラムスは、テレビドラマ『LOST』や映画『クローバーフィールド』などの独創的な作品を手掛けた、ハリウッド随一の仕掛け人だ。しかし映画監督としては、『M:i:III』と『スター・トレック』という既存のシリーズ物しか撮っていない。

そんな彼が満を持して送り出すオリジナル脚本の監督作品が『SUPER 8/スーパーエイト』である。

───1979年オハイオ州。14歳のジョー・ラムは、仲間たちとスーパー8mmフィルムでゾンビ映画を制作していた。深夜に線路沿いで撮影していると、突然一台の車が線路上を走り出して───

優れたアイデアを提供してきたJ・J・エイブラムスだが、『SUPER 8/スーパーエイト』は、どこかで観たような──主にスピルバーグ映画で──場面を組み合わせた映画で、目新しいアイデアが欠けていた。

これには少なからず失望したが、なにせ当のスティーヴン・スピルバーグが製作を務めたお墨付きだから、文句を言う筋合いはないのだろう。

さて、独自性が足りない以外は極めて優秀で、作品自体の出来は良い。80年代以前のスピルバーグ映画に馴染みが薄い、主人公たちと同じ世代ならば、むしろ新鮮な映画だと感じるはずだ。

思春期の冒険心をくすぐる要素がふんだんに詰まった本作は、この夏を忘れられないものにする、くさびになり得る。

とうに思春期を過ぎてしまった大人たちには、「あの頃の、あの感じ」を思い出させてくれるだろう。

『SUPER 8/スーパーエイト』は、 スピルバーグ映画の愛好家は勿論のこと、セキルバーグ(関暁夫)を好きな人も必見。“エリア51”と聞くだけでわくわくする御仁なら、輪をかけて楽しめる、良質なSF映画である。

評点(10点満点)

【7点】キャッチコピーの“『E.T.』以来の最高傑作”は大げさ過ぎる。

ネタバレ

(注) ここ以降は本作のネタバレがありますのでご注意ください。

劇中で主人公たちが撮っていたゾンビ映画の完成版が、本編のエンドロールと共に上映されるのは嬉しいサプライズ。チープだけど、ゾンビ物のツボを押さえた、観ていてニヤニヤが止まらない素敵な短編だった。

なんだか愛おしさすら感じるのは、本編で主人公たちに感情移入しているから。この短編を含めて、初めて『SUPER 8/スーパーエイト』という作品が成立するといっても過言ではない。

地上波で放送される際には、カットしないで欲しいものである。

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監督:J.J.エイブラムス
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発売元:パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
発売日:2012年06月08日
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