『シン・シティ』レビュー

グリーン・スクリーンが映し出す光と闇

アメコミが原作の作品を乱発しているアメリカ映画界。『シン・シティ』もグラフィック・ノベルの映画化だが凡百のアメコミ映画とはわけが違う。刺激を抑えたファミリー・ムービーではなく、オッパイと暴力を満載した大人向けの映画なのだ。

───犯罪者、落ちぶれたビッチ、誰でも受け入れる街シン・シティ。憎しみと裏切り、血と反吐まみれのこの街で、いまもなお正義を果たそうとしている男たちがいる。絶滅したはずの愛の為に───

人物以外はほとんど全てCGで描写され、白と黒の強烈なコントラストで描かれている原作のグラフィックをそのままスクリーンに焼き付けたような映像世界。そのシン・シティの街で繰り広げられる三つのストーリーは、男臭くハードボイルドだ。

ロバート・ロドリゲス監督といえば馬鹿バカしい映画が得意だが、今回は珍しくシリアスで押し通した。彼特有の馬鹿らしさが好きな人でも、盟友クエンティン・タランティーノがゲスト監督として演出した、お得意のオフビートな馬鹿らしいシーンで溜飲が下がるだろう。

タランティーノが絡んでいて、暴力描写があると聞いて不安なった人もご安心を。映像がモノクロで極端にデフォルメされているため、『キル・ビル』のように胸焼けするよな暴力シーンにはなっていない。

しかし、それでも受け付けられない人もいるかもしれないが、そもそも『シン・シティ』は広く一般に受けることを目指した映画ではない。そして、そういった作品の常としてツボに入るとハマリ度が高い。予告編を観て少しでも食指が動いた人は見逃してはいけない。

こんなコアな映画にブルース・ウィリスを初めとしたオールスターと呼んでいいキャストが集まるなんて、素敵なことじゃないか。

光と闇で描かれるバイオレンスとファム・ファタール。まったく新しい、21世紀のフィルム・ノワールの誕生だ。

評点(10点満点)

【7.5点】刺激に飢えた男性におすすめ。

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