『シューテム・アップ』レビュー

ニンジンマン

『シューテム・アップ』は、撃って撃って撃ちまくるド派手なガンアクション映画だ。笑いの要素をこれでもかと詰め込んだ本作は、ありがちなガンアクションとは一風変わった新鮮味があるので、「この類いにはもう食傷した」なんて言う映画ファンでも楽しめるだろう。

───深夜のニューヨーク。人気のない裏通りで妊婦が男から追われている場面に居合わせたスミス(クライヴ・オーウェン)は、見逃すことができず助けに入る。しかし、銃を持った集団が次々となだれ込んできて───

この映画、まぁとにかく下らない。「そんなのあり?!」な馬鹿バカしいシチュエーションを連発して楽しませてくれる。とは言え、登場人物たちは、おちゃらかしなしで常に真剣も真剣。故に、笑えるシーンでも血腥さく、程好い緊張感を巧く維持している。

上映時間は潔く1時間26分とコンパクト。「悪役のボスは元○○○」という何とも都合の良い設定だから、主人公が何処に逃げようとあれよあれよという間に捜し当てる。この、とんとん拍子に話が進むスピード感が心地良い。

ちなみに、『シューテム・アップ』は只々おバカなだけの映画ではない。「なぜ赤ん坊の命が狙われているのか?」「そもそも主人公スミスは何者なのか?」というサスペンス要素も何気に織り込んでいて侮れない。

初め「スターダムにのし上がったクライヴ・オーウェンにしては規模の小さい映画を選んだな」と思ったが、観て納得。スリリングな銃撃戦から、"イタリアの宝石"モニカ・ベルッチとの絡みまで、男心をくすぐる要素が満載で、さぞかし演じるのが楽しかったであろう役柄だった。本作に通じるものがある『シン・シティ』にも出演しているくらいだから、クライヴ・オーウェンは、こういった男むさい映画が好きなんだろう。

そしてもちろん、世の男どもだって『シューテム・アップ』みたいな映画は好きな筈だ。

評点(10点満点)

【6点】想像以上ではないけれど、以下でもない。

余談

監督・脚本のマイケル・デイヴィスは、本作の企画を売り込むために、アクションシーンの手書きアニメを制作した。驚くなかれ17,000枚も自力で書いたんだとか。動画レベルはパラパラ漫画だけども、その熱意が伝わってくる熱い仕上がりだ。

このアニメ版は、LatinoReview.com で公開されている(08年6月現在)ので、本作を気に入った方なら必見です。当然ネタバレ全開なので、本編観賞後に観ましょう。

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