『SAW6/ソウ6』レビュー

かごめかごめ

『エルム街の悪夢』しかり『13日の金曜日』しかり、得てしてホラー映画は数多くの続編が作られるものだが、こと『SAW/ソウ』に到っては、ホラーといってもスリラー/サスペンスの要素が強いから、シリーズを長く続けるのは難しい。

手を替え品を替え、とうとう6作目に漕ぎ着けたものの、本国アメリカでの興行成績はシリーズ最低。新進気鋭のホラー映画『パラノーマル・アクティビティ』に完全に喰われてしまった。

「さすがに無理があるのか、いよいよ『SAW/ソウ』も御仕舞いか」と不安を胸に劇場の席に座ったが、本編前に用意された「SAW集編」と銘打った総集編を観た瞬間からテンションだだ上がり。本編冒頭のゲームでつかみはオーケー。スタッフロールが流れる頃には、不安は充足感に変わっていた。

結果『SAW6/ソウ6』は、シリーズファンなら劇場で観る価値が充分にあった。シリーズファンならば。

目覚めると両手両足に時限爆弾
与えられた時間は60分
待ち受けるは4つのゲーム
果たしてゴールに待つものとは……

(注) 以降はシリーズ過去作のネタバレがありますのでご注意ください。

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前作の『SAW5/ソウ5』は、謎が増えるばかりで話が進まず、足踏みするような作品だった。しかし『SAW6/ソウ6』では謎解きが進み、遂に「アマンダの手紙」の内容が明かされる。なんせ3年越し(!)の伏線が解決するのだから、シリーズファンなら堪らない。

それどころか、ジョン・クレイマーがジルに遺した箱の中身も明らかになる。つまり前作は本作の前フリに過ぎなかった訳だ。どうりで物足りなかった筈である。その分、今回は満足感がある内容となった。

また、シリーズの謎解きだけではなく、メインゲームのプレイヤーとなる人物の人間性にもスポットを当てている。プレイヤーの人物像を明確にした事で、彼がゲームで強いられる残酷な選択の意味合いが深まった。

目玉であるゲームの緊張感もあるし、総じてなかなかの出来栄えだ。シリーズのオリジナルクリエーターであるリー・ワネルが脚本から離れた『SAW4/ソウ4』から、がくんとクオリティが下がったが、大分持ち直した。

『SAW3/ソウ3』までのジョン=ジグソウ篇には敵わないが、ホフマン=ジグソウ篇の中では最高傑作だろう。久々に1本の映画として座りの良い作品になっている。

さて、毎年シリーズの新作が観れるのは嬉しい反面、「もうイイんじゃないの?」とも一ファンとして思う。『SAW7/ソウ7』の制作も当然のように決定しているどころか、なんと3D(立体)映画になるというのだから驚くばかり。願わくば、醜態を晒すような真似だけはして欲しくないものだ。

評点(10点満点)

【6.5点】シリーズファン限定。驚きは無いが、安定感がある。

シリーズ

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