『SAW5/ソウ5』レビュー
ジグソウの匣
一時期は5部作になると噂されていた『SAW/ソウ』シリーズも遂に5作目。しかしながら、既に『SAW6/ソウ6』の公開が決定しているどころか、次回作でも完結しないらしい。いよいよ終わりなき旅への第一歩を踏み出してしまったのか。それとも有終の美へと続く道なのか。果たして最後のピースが埋まる日は訪れるのだろうか。
(注) 以降はシリーズ1~4のネタバレがありますのでご注意ください。
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───ジグソウの仕掛けたゲームから命からがらに生還したストラム捜査官は、ゲームの参加者で唯一無傷だったホフマン刑事に疑念の目を向けていた。ストラム捜査官は、独断で捜査を続行するが───
真のジグソウたるジョン・クレイマーが死んでしまってからの『SAW/ソウ』シリーズは、残りのピースを埋めることに腐心している。『SAW5/ソウ5』も上映時間の半分ほどは過去の出来事だ。これは、無理に話を引き伸ばし続けるよりは懸命だが、神懸っていた初作から想像の余地を削り取り、ともすれば貶める事に他ならない。
そればかりか、前作と同様に一見さんでは理解不能で、熱心なファン専用の内容になってしまっているし、リー・ワネルが脚本を手掛けなくなってから確実にクオリティは落ちている。しかし、ここまで来たらからには最後まで見届けてやろうじゃないか!少なくとも、シリーズを見限るにはまだ早いと思わせるだけの魅力は残っている。
新ジグソウのホフマン刑事を演じるコスタス・マンディラーにカリスマ性が足りない。ジグソウの仕掛けるゲームの装置が物足りない。どんでん返しとは到底言えない想定内のラスト……。不満をあげつらえば切りがないが、それでも魅力を感じるのは、初作でジグソウが起き上がった瞬間に、『SAW/ソウ』シリーズに映画の魔法が吹き込められたからだろうか。
そう、あのジグソウが起き上がった瞬間に感じた、脳みそが沸騰するような興奮が忘れられない。後どれだけシリーズを続けるつもりなのか知らないが、最後の最後には、もう一度あの興奮を味あわせてくれると信じているのだ。
評点(10点満点)
【6点】どんでん返しを期待しちゃダメ。
シリーズ
ネタバレ
(注) 以降は『SAW5/ソウ5』のネタバレがありますのでご注意ください。
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本作で一番驚いたのはラストにどんでん返しがないこと。ホフマン刑事がストラム捜査官をジグソウに仕立て上げようとしていたのは誰の目にも明らかだったし、ラストのゲームではガラスケースに入るのが正解なのはファンなら当然のように予想した筈。本作が繋ぎの作品のように感じるのはオチが弱いせいだろう。せめて最後にサプライズがあれば、もっと評価は高まったのではないか。
さて、今回一番怪しいのは、ゲームで勝ち抜いたブリットだ。第4のゲームでマリックの腕がほぼ真っ二つになった描写があったが、ブリットの腕は隠されていて見えない。ブリットは、手の先程度しか切っていないのではないか。ブリットがゲームの隠されたマスターだった可能性も考えられる。なんにせよ、ゲームで勝ち抜いた人物に何かあるのは、『SAW/ソウ』シリーズのお約束である。
本作で明かされなかった謎で、今後の展開に重要な意味をもたらしそうなものは以下の通り。
- ホフマンに脅迫状を送ったのは誰?
- 遺品の箱の中身は何?
- 『SAW3/ソウ3』でアマンダが受け取った手紙には何が書いてあった?
それではまた来年。ハロウィンの頃に。
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