『SAW/ソウ』レビュー

血塗られたジグソウパズル

目覚めたら老朽化したバスルーム
足首は鋼鉄の鎖で部屋の角に繋がれている
対角線上の角にもう一人の男
そして二人の間には血まみれの死体

映画館で『SAW/ソウ』のフライヤーを手にした私は興奮で身震いした。「このシチュエーションをスクリーンを通して体感できるのなら、例えつまらない映画でも構わない!」と、なにやら屈折した思いで劇場公開を今か今かと楽しみにしていた。そして、待望の鑑賞。最後のスタッフロールが流れているとき、私は完全に興奮の只中にいた。そう、この映画は最高に面白かったのだ!

文頭のシーンから始まるこの映画は、『CUBE/キューブ』に代表されるシチュエーションスリラーの分類に入る。だが『SAW/ソウ』はワンシチュエーションにこだわらず、バスルーム以外でも物語は進んでいく。結果、野心作でありつつも、正統派スリラーとしても楽しめる作品になっている。

物語の謎を解くピースはあらゆるカットにちりばめられ、一時でも目を離せない。しかも、どのシーンも恐怖で彩られていて、常に緊張感を強いられる。たとえどんなに怖くても、細部に目を凝らしつづけなくては謎が解けないという、かなりサディスティックな映画だ。

そして、頭の中でそれらのピースをジグソウパズルのように組み立てて行き、ラストシーンで最後のワンピースがはまったときの凄まじい衝撃。私は総毛立ち、思わず声をあげそうになった。誰かにオチをばらされてしまわぬうちに、この傑作を早々と鑑賞することを強く薦める。

評点(10点満点)

【9.5点】奇跡の一作。ラストのシークエンスは、文句なしに満点。

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