『REC2/レック2』レビュー

最上階にいるアレ

(注) 本稿はシリーズ前作のネタバレがありますのでご注意ください。

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主観撮影を使うことによってゾンビ映画に新風を吹き込んだ『REC/レック』は、「目新しい映画を観た」という興奮がある傑作だった。

その『REC/レック』のラストシーン、無残にも暗闇に引きずり込まれるレポーターのアンヘラを映した映像から『REC2/レック2』はスタートする。そう、今作は前作の直後から始まるのだ!しかも監督・脚本を手掛けたジャウマ・バラゲロとパコ・プラサが続投した純然たる続編なのである。

───謎の感染症が発生して隔離されたアパートに原因究明のためSWATと保健省の博士が派遣された。彼らはそのアパートの中でいったい何を目撃するのか───

ホラー映画の続編には失敗作が多いことは映画ファンなら周知の事実だが、『REC2/レック2』は、なかなかの佳作に仕上がっている。しかし、期待が大きかっただけに不満が残る映画でもあった。

まずは不満点を先に書いてしまうと、すべてが想像の範囲内で既視感があったこと。既存の海外ホラーでよく見る光景が続いて、目新しさはほとんどなかった。これが唯一にして最大の不満点である。

しかし逆にいえば、海外ホラーにあまり馴染みがない人なら、すべてが新鮮に目に映るだろう。それら既存の要素に初めて触れるホラー映画としては、すこぶる優秀な映画だといえる。

さて、今回も阿鼻叫喚たる惨状は存分に繰り広げられる。現実には間違っても入りたくないアパートだが、映画なら話は別。スリルを味わうための装置として、これ以上はない舞台に演出されている。

そのアパート内を映しだすのは、SWATの4人それぞれのヘルメットに付いているCCDカメラだ。それらのカメラを随時切り替えることによって、カメラが1台だけだった前作よりもメリハリがついた。単調に感じる時間は前作よりも確実に少なくなっている。

また、前作で残された謎の真相も明らかになる。前作の観賞後に観客は、最上階にいた(元)少女メデイロスと子供の正体や、神父の顛末についてあれこれと想像を巡らせたはずだ。真相が、その想像を超えたと感じるか否かで本作の評価は大きく変わるだろう。

恐怖を疑似体験できる主観映像は、「怖い目には遭いたくない筈なのに、何故か怖いものは見たい」という不思議な好奇心を満たすのに打って付けだ。さあ、あなたもこのアパートに足を踏み入れよう。そしてこの惨劇の顛末を見届けようじゃないか。

評点(10点満点)

【6点】前作を気に入ったなら、敢えて本作を観ないという選択肢もあり。

シリーズ

余談

(注) ここ以降は本作のネタバレがありますのでご注意ください。

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『REC2/レック2』を観ていて一番テンションが上がったのは、アンヘラが再登場したシーンでした。「生きてたのかよ!」って。こうしたサプライズが続編の醍醐味です。ところが、予告編や映画関連の大手法人サイトなどで、アンヘラが再び登場することがネタバレされていることを観賞後に知って驚きました。

たしかに前作を観た人の関心は集めるだろうけど、これでは肝心の本編を観たときの興奮が薄れてしまうはず。こういった目先の集客だけを目的とした宣伝は、長い目で見ればマイナスにしか働かないでしょう。

本作に限らず、ネタバレ予告編などが横行していますが、ホント止めて欲しいです。

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