『ダイ・ハード4.0』レビュー

帰ってきたジョン・マクレーン

「アクション映画の主人公と言えば超人的なマッチョ」そんな80年代後半のアメリカ映画界に突如として現れ、マッチョ達をアクション映画の主役から引きずり落とした男。それが『ダイ・ハード』の主人公ジョン・マクレーン刑事だ。一見平凡な刑事だが、持ち前のタフネスと大胆さで、傷だらけになりながらも大事件を何とか解決する。そんなマクレーン刑事が12年ぶりに帰ってきた。

───独立記念日の前夜。FBI のサイバー犯罪部に何者かがにハッキングを仕掛けてきた。事を重く見たボウマン部長は、ブラックリストに載っているハッカー達の一斉検挙を命じる。"死んでも死なない男"ジョン・マクレーン刑事もハッカーの身柄拘束に借り出さられ───

初めに言ってしまえばシリーズ一作目のようなプロットの巧みさは本作には無い。あれはもう時代に愛された奇跡の脚本なのだからしょうがない。その代わりに『ダイ・ハード4.0』には、一作目とは比較にならないほど進化した映像技術の成果がある。今だからこそ映像化できた迫力あるシーンの数々は、手に汗握ること請け合いだ。

“溜めて、じらして”ともったいぶらず、速いテンポでアクションシーンが訪れる構成だから爽快感がとても高い。多大なる手間暇が掛かったあろうシーンでも、スローモーションもカットの繰り返しも無し。気前良く「ぱっ」と見せる潔さが気持ち良い。

『ダイ・ハード』シリーズの熱心なファンほど本作に不満を持っているようだ。なになに「今回のマクレーンは不死身すぎる」って?いやいや、やってることのハードさは一作目とそれほど変わらない。映像の迫力が増したから相対的にそう感じるだけじゃないだろうか。

怪我だらけでズタボロになりながら文句を言いつつも大事件を解決するマクレーン刑事の奮闘は相変わらずだし、良い感じで年齢を経て、旧作では感じさせなかった包容力を得たマクレーンの新しい魅力もある。ここは素直にマクレーン刑事との再会を喜ぼう。

観た後に残るものが少なくたって良いじゃないか。少なくとも鑑賞している二時間半は、日常では味わえないエキサイティングな時間を過ごすことができる。『ダイ・ハード4.0』は、娯楽映画として至極真っ当な佳作である。

評点(10点満点)

【7点】旧『ダイ・ハード』シリーズを未見でも大丈夫。堅いこと言わずに楽しもう!

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