映画レビュー #05

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『コーラス』‐ノスタルジアの肩越しに覗く現実

 

奇跡の歌声と天使の顔を持つ、美少年のジャン=バティスト・モニエが主演」との触れ込みに誘われたのか、劇場内は年配の女性で埋め尽くされていた。 いつか訪れる声変わりを避けられないボーイソプラノは、束の間の白昼夢のような美しさと儚さを持ちあわせている。それは....

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『キスト』‐永遠の片想い

 

───幼いころから<死>に特別な興味をもっていたサンドラ。大人になり斎場で働き始めた彼女は、遺体を教会へ車で運ぶ最中に初めて死体とのキスを経験する。そのキスは彼女に愛の悦びをもたらした。やがて彼女に想いを寄せるマットが現れ───ネクロフィリア....

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『コンスタンティン』‐やさぐれエクソシスト

 

「キアヌ・リーブスかっこいい!」鑑賞中、思わず私は連れに耳打ちした。キアヌが演じるジョン・コンスタンティンの、あまりの格好よさに黙っていられなくなったのである。“この世には人の姿をした、天国と地獄の使いが跋扈していて、人間の魂を奪い合っている”という....

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『エターナル・サンシャイン』‐シナプスが紡ぐ想い

 

───ある朝の通勤中にジョエル(ジム・キャリー)は抗えない予感に導かれ、会社ではなくモントールへ向かった。その海岸で出会ったクレメンタイン(ケイト・ウィンスレット)と、お互い一目で惹かれあう。ジョエルの車にある見覚えのない傷、切り取られた日記のページ....

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『SAW/ソウ』‐血塗られたジグソウパズル

 

───目覚めたら老朽化したバスルーム。足首は鋼鉄の鎖で部屋の角に繋がれている。対角線上の角にもう一人の男。そして二人の間には血まみれの死体───映画館で『SAW ソウ』のフライヤーを手にした私は興奮で身震いした。「このシチュエーションを....

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『ナショナル・トレジャー』‐嗚呼、ニコラス・ケイジ

 

───太古の昔より、至高の権力の下を転々とした<秘宝>。それは、独立戦争中に忽然とその姿を消した───オープニング、物語の行く末を決定する、主人公の子供時代のエピソードが明け、現在の主人公がアップになった瞬間が、まずは最初のクライマックス....

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『ジェイコブス・ラダー』‐誰もがその梯子を上っている

 

超高速で頭を左右に振る、不気味な人物の映像をご覧になったことは有るだろうか?映画、テレビなどで幾度となく利用されたこのイメージは、もともと映画『ジェイコブス・ラダー』で使われた演出である。1990年にアメリカ、91年に日本で公開されたこの映画は....

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『ムーラン・ルージュ』‐赤い風車は回り続けている

 

冒頭、真紅の緞帳が開いた瞬間から手加減なし、最後までハイパーアクティブな演出で観客を夢の世界へ引きずり込む。19世紀末のパリを舞台にしながらも、現代ポップカルチャー&ポップソングを徹底的にコラージュし、アルフォンス・ミュシャの絵に嵌め込んだような....

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『レクイエム・フォー・ドリーム』‐喪失の果てに見た夢

 

これほど強く、胸を締め付けられるような思いになる映画はそう多くはない。決して魅力的とは言えない登場人物たち(演じる役者は十二分に魅力的だが)の、転落していくさまが痛々しいまでに悲しいのは、彼らではなく、彼らが失ってしまうものに感情移入するから....

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