『東京都檜原村の滝巡り』ガイド

岩にしみ入る水の音

去る9月のシルバーウィークに檜原村(ひのはらむら)へと滝巡りに出掛けた。

島を除く東京都では唯一の村である檜原村では、「払沢(ほっさわ)の滝」や「天狗の滝」など、いくつもの滝を観ることができる。

まずはJR武蔵五日市駅へと降り立ち、藤倉方面行きのバスに乗り込む。運行本数が極端に少ないためか、車内は観光客でぎゅうぎゅう詰だ。

払沢の滝

バスに揺られること40分、予定よりも時間が掛かりバス停「払沢の滝入口」に到着。「払沢の滝」までの道は整備されているのでバス停から歩いて10分程度の楽な行程で到着した。

払沢の滝

滝そのものも美しいが、滝の左側の苔むした岩肌を這うように流れる水が水滴になって、シトシトと滝壷へ落ちる様も見ていて気持ちが良い。

滝はどれだけ観ていても不思議と飽きないのだけど、今回はまだ他の滝も観て廻るので、後ろ髪を引かれつつ「払沢の滝」を後にした。

同じ道を引き返し、バス停まで戻る。ついでにバス停の前にある「手作り檜原豆腐 ちとせ屋」で「うの花ドーナツ」を購入した。このドーナッツは本当に美味しかった。「払沢の滝」へ行った際には、是非立ち寄って欲しい。

茅倉の滝

都道を北にしばらく歩いて茅倉橋に差し掛かると、右手に「茅倉(かやぐら)の滝」が見える。

茅倉の滝

車が行き交う道路沿いにあるため風情がないのが残念だ。

天狗の滝

更に都道をバス停「千足」まで進むと、程近くの右手から「関東ふれあいの道」の「鍾乳洞と滝の道」がスタートする。ここからは山道だ。ハイキングコースにしては、うっそうとしているので、それなりの装備で向かいたい。

山の中の美味しい空気を吸いながら進むと道の分岐点へ着く。道しるべには、真っすぐ行くと「天狗滝・綾滝」、右へ折れると「綾滝・つづら岩」とある。まずは「天狗の滝」を観る予定だったので真っすぐ進むことにした。

一層険しくなった山道を登って行くと滝が見えてきた。

名もなき滝

「天狗の滝」に辿り着いたと思いきや、どうやらこの滝は名もなき滝らしい。

と此処で道を見失ってしまった。しばらく辺りを探すが「天狗の滝」へ続く道が見付からない。唯一2メーターほどの断崖の下に見える道に道しるべを発見したが、降りるには危険と判断して先ほどの分岐点まで戻ることにした。

帰宅後にネットで調べたところ、この滝の近くに上へと登る道があるようだが……。

綾滝

「天狗の滝」はあきらめ、「綾滝」へ向かう。分岐点まではそう距離がなかったのが救いだ。

道を引き返した徒労感もあって、「綾滝」までは距離を感じた。

綾滝

観光客で賑わっていた「払沢の滝」とは違い、「綾滝」は山間に静かに佇んでいた。水が岩肌を這うようにシャラシャラと流れるので、ひっそりとしているのだ。

今回の滝巡りで一番気に入ったのがこの「綾滝」だ。都会の喧騒も、せわしない時間の流れも、いっとき忘れさせてくれる。

富士見台

「綾滝」を観て、滝巡りは一段落。これから「関東ふれあいの道」を進み「富士見台」を目指す。

この道程は本当に辛かった。「綾滝」を過ぎてから急に勾配が厳しくなったのだ。「ハイキング」や「山のぼり」といった言葉は相応しくない、まさに「登山」である。滝を観たいだけならば、「綾滝」で引き返すことを強くお薦めする。

想像以上の険しい道程に苦労しながら「富士見台」に着いた頃には、心身ともに疲労困憊だった。

「富士見台」というくらいだから、普段は富士山が見えるのだろうが、この日は山間が雲に包まれ、ほとんど何も見えなかったのが残念である。

遅い昼食を食べ、休憩をとるが、いつまでものんびり休むわけには行かない。日没までのタイムリミットがあるからだ。「富士見台」に着いたのが15時で予定よりかなり遅れている。早めに休憩を切り上げ下山への道を進むことににした。

大滝

下りは登りよりも筋肉は楽だが、関節の負担が高く、別の辛さがある。一難去ってまた一難といったところか。

大滝 ひーひー言いながら「大滝」へ着いた頃には、写真の通り暗くなり始めていた。ゆっくりと観たいところだが、日没が迫っているので「大滝」を早々に後にする。

ここからようやく傾斜がなだらかになった。道沿いに沢が流れ、実に気持ちの良さそうな道程だっただけに時間がなかったのが悔やまれる。

舗装道路に出たときは心底ホッとした。途中にある「大岳鍾乳洞」も楽しそうなので、次の機会に「大滝」と合わせて再訪したい。

ゴール

ゴールのバス停「大岳鍾乳洞入口」に到着して程なく日没が訪れた。

「関東ふれあいの道」の「鍾乳洞と滝の道」は、中~上級者向けのコースだったようで、初心者の私たちにはかなり厳しいものだった。所要時間の見積もりの甘さには反省しなければならない。

それにしても途中で抜いていった人たちの速いこと速いこと!どうやらスピードハイキングというものらしい。

終わりに

「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」とはよく言ったもので、無事帰宅した今となっては楽しい思い出となった。

「綾滝」で引き返せば、それほど厳しいコースではない。東京都で唯一「日本の滝百選」に選ばれている「払沢の滝」を初めとして、いくつもの滝を観て廻れる檜原村は、滝ズキの諸氏に胸を張ってお薦めできる、首都圏でも絶好の滝巡りスポットだ。

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