『ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説 大全』レビュー

リンクの系譜

2011年にシリーズ誕生25周年を迎えたゲーム『ゼルダの伝説』。『ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説 大全』は、そのメモリアルとして刊行された任天堂公式ガイドブックである。

本書は、4部構成になっている。

  1. 「はじまりの物語~『スカイウォードソード』の世界~」
  2. 「ハイラル全史~明らかになる「伝説」の系譜~」
  3. 「創造の足跡~アートワーク25年の記録~」
  4. 「スペシャルコミック~ゼルダの伝説 スカイウォードソード~」

『ゼルダの伝説』シリーズは、主人公のリンクとヒロインのゼルダが、ハイラルを舞台に冒険を繰り広げるという共通項がある。しかしながら、各作品間のつながりは、製作者インタビューなどで断片的に語られるにとどまってきた。

その全貌が、第2部の「ハイラル全史」でついに明らかにされる。これがシリーズファン垂涎の的となり、初版は即完売。重版されてからも入手困難な状態が続いている人気書籍だ。

「はじまりの物語~『スカイウォードソード』の世界~」

第1部は、『スカイウォードソード』の設定資料。没になったデザイン画など、貴重な資料が掲載されている。いや、そもそも任天堂が設定資料を公開すること自体が珍しいため、すべてが貴重と言っても過言ではないだろう。

資料に併載されている開発者のコメントと、ボツ画から、アイデアを磨き上げる製作の過程が垣間見えて興味深い。

当然、ネタバレもある。『スカイウォードソード』は、『ゼルダの伝説』シリーズの中でもとりわけ物語性が高いため、まだクリアしていない人は読まないように。

「ハイラル全史~明らかになる「伝説」の系譜~」

本書の目玉である第2部は、リメイクや番外編を除いた、下記の15作の歴史的背景とつながりを詳細に解説したハイラル年代記である。

  1. 『ゼルダの伝説』(FC)
  2. 『リンクの冒険』(FC)
  3. 『神々のトライフォース』(SFC)
  4. 『夢をみる島』(GB)
  5. 『時のオカリナ』(N64)
  6. 『ムジュラの仮面』(N64)
  7. 『ふしぎの木の実 大地の章/時空の章』(GBC)
  8. 『風のタクト』(GC)
  9. 『4つの剣』(GBA)
  10. 『4つの剣+ ハイラルアドベンチャー』(GC)
  11. 『ふしぎのぼうし』(GBA)
  12. 『トワイライトプリンセス』(Wii)
  13. 『夢幻の砂時計』(DS)
  14. 『大地の汽笛』(DS)
  15. 『スカイウォードソード』(Wii)

この並びはゲームの発売順だが、本書ではハイラルの時間軸に沿って明解に並べ替えられている。そして、これらのあらすじと結末、更に重要キーワードの解説によって、ハイラルの歴史を紐解いている。

具体的内容は、本書を読んでのお楽しみ。

かなり読み応えがあって、この部だけで元を取れる満足感を得られた。

「創造の足跡~アートワーク25年の記録~」

第3部は、シリーズ過去作のアートワーク集。シリーズ近作でプロデューサーを務める青沼英二氏のコメントによると、これらは、今まで門外不出だった資料とのこと。

デザイナーが複数人にわたっているから、バラエティに富んでいて面白い。初代『ゼルダの伝説』のイラストが、古臭さを通り越して、良い味を出している。

初代に関しては、宮本茂氏の直筆開発資料も掲載されている。わずか6点だが、本書最大のお宝だ。

第1部同様、ボツ画も多数掲載されているので、将来キャラクターデザイナーを志している人は大いに参考になるだろう。

「スペシャルコミック~ゼルダの伝説 スカイウォードソード~」

巻末には、『ゼルダの伝説』シリーズのコミカライズを以前から手掛けている姫川明氏の描き下ろしコミックも掲載されている。

このコミックは、『スカイウォードソード』本編では詳細が語られていない前日譚を補完するもの。シリアスで暗い内容だが、『スカイウォードソード』をクリアした人ならグッと来るストーリーだ。

まとめ

B5サイズのハードカバーで、コミック以外はカラーという豪華仕様は、25周年を飾るガイドブックにふさわしい。それだけに値が張るが、長年のシリーズファンをも唸らせるであろう充実した内容で、永久保存版になること間違いなし。

『ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説 大全』は、 読めば『ゼルダの伝説』シリーズが更に楽しくなる、ファン必読の一冊である。

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ハイラル・ヒストリア ゼルダの伝説大全 (任天堂公式ガイドブック)
メディア:大型本
著者:姫川 明
販売価格:¥ 3,348
発売元:小学館
発売日:2011年12月
在庫状況:在庫あり
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